杏仁豆腐

中華料理のデザートとして有名な「杏仁豆腐」の魅力と歴史

中華料理のとして有名な豆腐」の魅力と歴史

杏仁豆腐とは?

杏仁豆腐とは、杏仁(きょうにん)というアンズの種の中にある仁(じん)をすりつぶして搾った白い汁をやゼラチンで固めたものです。杏仁には咳を止める作用があるとされており、もともとは中国で生薬として使われていました。杏仁には苦みがあるため、甘くして食べやすくしたのが杏仁豆腐です。杏仁豆腐には甘みのある南杏仁が使われますが、生薬として使われるのは苦みの強い北杏仁です。

杏仁豆腐の歴史

杏仁豆腐は中国発祥のデザートで、その起源は古く三国時代(220年~280年)にまでさかのぼります。呉の国に董奉(とうほう)という名医がおり、彼は杏仁を使って喘息や乾性咳嗽などを治療していました。彼は自らも喘息を患っており、自分で作った杏仁霜(きょうにんそう)という粉末を常用していました。この杏仁霜が杏仁豆腐の原型となったと考えられています。

中国では宋代(960年~1279年)になると、杏仁霜を水で溶かして寒天で固めたものが食べられるようになりました。これが現在の杏仁豆腐に近いものです。明代(1368年~1644年)になると、砂糖や桂花(きっか)などを加えて風味や甘さを増したものが登場しました。桂花はオレンジオスマンサスという花で、中国ではお菓子やお茶などによく使われます。

日本には大正時代(1912年~1926年)に入ってから杏仁豆腐が伝わりました。当時は枝豆和えなどの料理として紹介されていました。昭和時代(1926年~1989年)になるとデザートとして広まりました。1970年代(昭和40年代)には学校給食や中華料理店などで人気メニューになりました。日本では牛乳寒天を元にを混ぜ込んでフルーツポンチ風にしたものや、状のものが多く見られます。

杏仁豆腐の種類と特徴

杏仁豆腐は店や地域によって味や固さも異なります。その理由は、使われている材料にあるのです。杏仁豆腐には大きく分けて以下の3種類があります。

  • 本格的な杏仁豆腐:杏仁霜という杏仁をすりつぶした粉末を使って作るものです。杏仁霜は価格が高く高級品として扱われています。杏仁霜を使うと、杏仁豆腐特有の甘い香りが強く出ます。寒天やゼラチンで固めて、桂花やシロップなどをかけて食べます。
  • アーモンドパウダーで代用した杏仁豆腐:香りがよく似ていて手に入りやすいアーモンドパウダーを使って作るものです。的安値で販売されている杏仁豆腐には、このタイプが多いです。アーモンドパウダーを使うと、風味はやや落ちますが、それでもです。寒天やゼラチンで固めて、果物やシロップなどをかけて食べます。
  • 牛乳寒天で作った杏仁豆腐:牛乳寒天にアーモンドエッセンスやバニラエッセンスなどで香り付けしたものです。日本ではこのタイプが一般的で、フルーツポンチやプリン状のものがあります。牛乳寒天を使うと、ミルク感が増しますが、風味はさらに落ちます。果物やシロップなどをかけて食べます。

杏仁豆腐の魅力

杏仁豆腐は、独特の風味とミルク感が魅力的なスイーツです。杏仁には咳を止める作用だけでなく、ビタミンEやカルシウムなどの栄養素も含まれています。また、寒天やゼラチンにはコラーゲンや食物繊維なども含まれています。これらの成分は美容や健康に良いとされています。杏仁豆腐は低でヘルシーなデザートでもあります。

杏仁豆腐は、季節や好みに合わせてアレンジすることもできます。冬は温かいシロップをかけたり、は冷たい果物を添えたりすると美味しくいただけます。また、コーヒーや抹茶などの風味を加えたり、チョコレートやキャラメルなどのソースをかけたりすると違った味わいになります。自分で作ることも簡単ですし、市販品も色々あります。

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